夏の日、僕は君の運命を変える
第15章 31年6月25日






本格的な梅雨になり、ジメジメした日が続いている。

癖っ毛の太田は毎日のように、頭が爆発していて面白い。

僕は母譲りのストレートなので、太田のようにならなくて済んだ。



季節は変わっても、僕は毎日のように心ちゃんと電話で話していた。

日課のようなものになってきているので、きっと話せない日などないだろう。



心ちゃんの学校ではもうすぐテストなようで。

文学部の僕に勉強を教えてほしいと言って来た。

最近では理系の問題は手をつけていないので、きっと今テストを受けたら文系の方が点数良いのだろうなと考える。



話を聞いているうちに、心ちゃんは国語の成績がトップらしい。

素直に尊敬してしまう。

きっと僕より国語の点数良いのだろうな。



「でも、どうしてそこまで頑張っているの?」

『え?』

「好きだから、そこまで頑張っているの?」

『……実は、…好きな人が、トップだから、釣り合いたくて』



以前心ちゃんから片思いの相手がいることは聞いている。

好きな人に釣り合うために、国語だけでもトップを目指そうとするなんて、やっぱり心ちゃんは凄い。

恋愛は、人を変えるのだろうか。



筧さんとは話す、というか話しかけてくれているけど。

基本異性とは話さない。

僕が事故に合い意識を失い、目覚めた時には記憶を失っていたことは何だか有名で。

男も女も教授も関係なく、僕を遠巻きに見てくる気がする。

ふと寂しくなった所で、前々から気になっていたことに触れることにした。








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