不機嫌なキスしか知らない
だけどあれがもし圭太への嫉妬だったらって、期待してしまう自分もいた。
「ていうか、藍沢といえばなんだけど……」
紘がキョロキョロとあたりを見回して、人がいないことを確認する。
そして少し声を潜めるから、私もそれを聞こうとして少し圭太に近づいた。
「……さっき紗和、藍沢とキスしてなかった?」
「っ!?」
あまりにも驚いて、目が丸くなる。
ドクン、ドクン、と心臓が跳ねる。
もしかしてさっき、圭太も中庭にいたの……!?
……いや、大丈夫。
冷静に誤魔化せば、大丈夫。