蝶々と花と昼休み
不思議な距離感だ。
触られても、嫌じゃない。
「なんかあったらココおいで」
先輩の手は私の頭の上をナデナデと優しく動いている。
「私に教えてよかったの?」
私は目の前の呑気な顔をした先輩に問う。
「だってここはあなたの、先輩の秘密の場所でしょ?」
「僕が教えたんだから。いいんだよ」
じゃないと連れてきたりしない。先輩はさも当たり前のようにそう言った。
きっとこの人は寂しくて、孤独で、愛されたい人だ。
ふとそう思った。
それはきっと少し微笑んだその顔が独りにしないでって縋るようだったから。