蝶々と花と昼休み
「ここ、秘密の場所」
そう言って置いてある木のベンチに先輩は座った。
そして自分の横をぽんぽんと叩く。
こっちにおいでということが分かった私はつられるようにストンと腰を降ろす。
暖かい日差しが当たりを包み、花の甘い香りに溶けるように先輩の香水が香っていた。
「1年生だよね?」
先輩は私の赤いネクタイを見て言う。
「はい。先輩は、」
先輩のネクタイに目を落とす。
紺色だけど3年生だっけ?
それとも2年生?
2年生は深緑だった様な、
「ふっ3年だよ」
少し笑いながらそう教えてくれた。
「何が面白いんですか」
少しむくれていうと、
「ほんとに周りに興味ないんだなぁーって」
と、なんだ、見透かされてる。