イクメン作家と恋心?SS~ほのぼの第2話~12/26に『クリスマス』を追加。
「うるさい。何だ?
急に悲鳴を上げな」
先生に怒られてしまった。
だって……。
「だって……先生。幽霊が……」
「はぁっ?」
幽霊を見ていない先生は、
呆れたような表情をしていた。
私は、必死に説明した。
見たのよ!?
本物の幽霊を……。
すると女将さんが
「まぁ……そんなことが?
母や父が……心配して様子を見にきたのかしら?
私が上手く女将としてやれているのか」
切なそうに言ってきた。
女将さん……。
そうしたら睦月君が
「穏やかな感じだったから多分……様子みながら
旅行気分で来たんじゃない?
ここ旅館だし」
女将さんにそう言って伝えた。
「旅行気分ですか……フフッ……。
そうかもしれないですね」
女将さんは、嬉しそうに笑った。
何だか穏やかな雰囲気のまま
取材が終了した。
私を除いて……。
「まさか、お前らが幽霊を見るとはな。
ただボーとしていて
年寄りを間違えたのではないのか?」
幽霊を信じてくれない先生。
「本当なんですってば!!
睦月や卯月だって目撃してるのですから。
先生……今日一緒に寝て下さい」
「同じ部屋なんだから問題ないだろ?
1人で寝ろ」
「ひどーい!!」
何とも騒がしくて少しひんやりした
家族旅行になってしまったのだった。