恋してバックスクリーン

これで、問題は解決した……かのように思われたけれど。自分から、バッと寿彦さんを突き放した。

「青空スターズは、勝てるん!?」

しつこくつきまとう加茂さんに、寿彦さんが挑んだ勝負。野球は、チームプレイだ。寿彦さんだけがんばっても勝てない。

「やってみないと、なんとも」

「そうやんな……」

「全力でやる。寝る間も惜しんで練習する」

「えー!?」

寝る間も惜しんで練習するやなんて。また私はおいてけぼり!? せっかく誤解が解けたのに!

思わず、本音を漏らした私を見て、寿彦さんが笑った。寿彦さんの笑顔に、私も笑った。

「大丈夫」

大きな手が優しく私の頭を撫でると、そっと引き寄せて抱きしめた。

青空スターズが勝てるか。その不安はあるけれど、寿彦さんに抱きしめられると安心感に包まれた。


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