恋してバックスクリーン
一回表、青空スターズの攻撃は、流星サンダーズのエース、加茂さんの前に三者凡退に終わった。

一回裏、流星サンダーズの攻撃。青空スターズのエース、吉城さんはフォアボールやヒットで満塁にされてしまった。それでも、粘りのピッチングを見せ、ピンチを切り抜けた。球数は増えてしまったけれど。

「初回から寿命が縮まる思いや」

思わずそう口にした私に、穂花は苦笑いをした。

その後は、吉城さんもなんとか立て直し、得点を許さなかった。後は、打線の援護を待つだけだが、青空スターズの打線がなかなかつながらない。それは、流星サンダーズも同じで、スコアボードにはゼロが並んだ。

そして迎えた、六回裏。流星サンダーズの攻撃。粘投していた吉城さんが突如、捕まってしまったのだ。

ワンアウト、満塁。打席には加茂さん。加茂さんは投げるだけではなく、打撃にも定評があった。得点圏打率が高く、塁にランナーがいればいるほど打つ、嫌なバッターだ。
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