私の唇は、大好きなキミへ嘘をつく。
そんなことを考えながら、1人で苦笑いをしていると、恋愛運が無い証、隣の席に一護が座る。
「ねぇ椿、今日は先輩来るの?」
先輩……あぁ、瑞希先輩の事……。
私は、2人にもう一つ嘘をついてる。
「あぁ、お前のタイプはメガネに黒髪文系男子だもんな。ハッ、瑞希先輩がお前みたいなチンチクリン相手にするかよ」
「うるさいな、私が誰を好きだって、一護には関係ないでしょ」
私が好きなのは、一護なのに……。
だけど、私は一護が好きだと悟られないように、バイト先の一ノ瀬 瑞希(いちのせ みずき)先輩が好きだという事にしていた。
瑞希先輩は私の秘密を知ってる唯一の人で、私に協力してくれている。大学1年生で、この高校の卒業生でもある。
「大学なんて、もっと美人がウヨウヨしてるだろうしな」
「うるさいな」
お互いにそっぽを向いて頬杖をつく。
3年連続隣の席、親友と両想いの私の好きな人。
そんな枷が無ければ、純粋にこの人を想えたのに……。
今は、一護の事を想う度に、心が壊れそうになる。