私の唇は、大好きなキミへ嘘をつく。
「んだよ、東野といてーなら勝手にしろ。行こうぜ、紗枝」
「あっ……う、うん!」
一護は紗枝の手を取って歩いて行ってしまう。
私と東野くんだけが廊下に取り残された。
「ごめん、宮野」
申し訳なさそうな顔で、東野くんが隣にやってくる。それに、私は首を横に振った。
「東野くんは悪くないよ……。これでいいの、これで…」
ちゃんと嫌われて、2人が一緒にいられるように出来たんだから…。
「でも、辛いんだろ、宮野」
「…………そんなこと、ない」
「親友と一護のために、そうしてんだな」
「…………」
ダメだ、東野くんには全部お見通しみたい。
私は観念して、東野くんを真っ直ぐに見つめる。
「お願い、秘密にして」
「…………分かった」
「絶対だからね?」
念を押すと、東野くんは困ったように笑う。
「大丈夫だって、口は固い方だぞ、俺。まぁ……俺としては、宮野を口説くチャンスがあるから、嬉しい状況だな」
「……そんな事言って、本当は一護のためじゃないの?」
何となくだけど、東野くんは一護ために私に声をかけた気がする。一護が、私の事を気にしてるから…。