私の唇は、大好きなキミへ嘘をつく。
「あっ……い、一護??」
腕を引いたのは、一護だった。
驚いて顔を上げると、私の腕を掴んだまま、怒ったように東野くんを睨みつけている。
なんで、さっきまで紗枝と話してたのに……。
「おい一護、俺今宮野と話してたのに!」
「近すぎんだよ、それに椿、困った顔してたし……」
私が、困った顔してたから??
だから、助けてくれたの……?
「へー、仲良いんだな」
「なっ……ちげーよ、たまたま気になっただけで……」
からかうような東野くんの言い方に一護が声を荒らげる。
ーズキンッ
……そうだよね。
ただ、視界に入って、目障りだったからだよ……。
落ち込みながら、紗枝の方を見ると…。
「…………」
紗枝は、悲しげに眉を寄せて、俯いている。
「っ!!」
いけない、紗枝に誤解されるっ!!
「あっ……は、離してよっ」
「おい、何だよ急に!!」
私は、ハッとして、一護の手を振り払った。
すると、一護の顔がいつもの不機嫌な顔に戻る。