私の唇は、大好きなキミへ嘘をつく。


***


「いらっしゃいませ!」

私は、今日もバイトで、営業スマイルを振りまく。
落ちこんでる時に笑うって、大分辛い。


だけど、『Cafe・FELICITE』は今日も平常運転。晴れているせいか、今日は混んでいた。


「椿ちゃん、これ一番テーブルに!」

厨房から、藍生先輩が私にパスタを渡す。


「わかりました」

「大丈夫?混んでるし、疲れてない??」


心配そうな藍生先輩に、笑みを作ろう。


今日は瑞希先輩休みだし、一護の事で落ち込んでも、1人で頑張らないと……。


「おい、椿早くしろ!一番テーブルの客が騒いでんぞ!」

「………今行くし」


もう、少し藍生先輩と話してただけじゃん!
どうしてこう、冷たいんだか……。


落ち込みながらホールに出ようとすると、

「一護、お前なぁ、もっと椿ちゃんに優しくしないと、嫌われるぞ?」という声が聞こえた。

それに、一度立ち止まってしまう。


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