私の唇は、大好きなキミへ嘘をつく。


「………もとから嫌われるんで」

「その言い方……一護、まさか嫉妬か??」

「なっ、違うっすよ!!」

「素直じゃないねぇ、若いな!」


素直じゃないって……そういえば、東野くんも言ってたっけ。

でも、違う……に決まってる。
だって一護は、紗枝が好きなんだから……。


私はさらに気分が下がるのを感じながら、トボトボとホールへ出た。


「お待たせしました、アサリのさっぱりパスタです」


お客様は25歳くらいの男2人組みだった。

料理を出すと、私を見て「随分待たされたんだけど?」と文句を言ってくる。


「大変申し訳ありません、混みあっていたので…」

「そんなの、俺等には関係なくね?」

「は、はい……」


どうしよう、困ったな……。
なんて言って、納得してもらえば……。


困っていると、手首を掴まれる。




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