ずっと一緒に･･･
放課後、後悔
「でも結局、今普通に話してるよね」
黒板を消しながら、友美は健一に背中ごしに言った。今日は二人が日直の日で、一緒に教室の後片づけと日誌を書いていた。
「でも前みたいにお前俺に対して笑わなくなったよな」
日誌を書いている手を止めて健一は友美を見て言った。友美は健一のほうは見ないで、「そう？」っとごまかしげに言いながら、やっぱりするどいなぁっと妙に感心してしまった。
「俺だってそこまでバカじゃないからな。お前が俺にだけ笑わなくなったってことくらいわかるよ」
「へぇ、そうだったんだ。絶対に気づいてないと思ってた」
そんなはずはないと思いながらも友美は言う。しばらく二人の間に沈黙が流れる。その沈黙から逃れるかのように友美はもう十分きれいになった黒板に、何度も何度も黒板消しを往復する。そして唐突に健一は口を開いた。
「……まだ俺のこと、恨んでる？」
健一の問いに友美の手が止まる。そして黒板消しを持っている腕を下ろしてから答える。
「……わからない……」
「……そっか、だよな……」
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表紙・目次

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