ずっと一緒に・・・
「いいよ。一緒に短冊かざろ」
「な、何笑ってんだよ!」
「べっつに〜」
なんだか今まで気まずい雰囲気だったことなんてなかったかのように二人は笑いながら竹のある場所まで行った。


竹にはたくさんの願い事が書かれた短冊がかかっていた。『テストでいい点がとれますように』『○○ちゃんとずっと仲良しでいられますように』そんな願い事がたくさんあった。それを見ながら健一は言った。
「ったくめちゃくちゃ短冊あるなー」
「みんな叶えてほしいことがたくさんあるんだねぇ」
「……なぁ、純があの時叶えようとしてた願い事、なんだったか覚えてるか?」
「うん、覚えてる」
友美はそう言ってたくさんの短冊を見ながら答えた。
「『みんなのねがいごとがかないますように』だよね」
「おっ、よく覚えてたじゃん」
「忘れるわけないじゃん。だってそれは純ちゃんの……」
そう、それは純の最後の願い事だった。忘れるわけがない。あの、脚立から落ちた時、絶対に手から離そうとしなかった短冊。その短冊の字が、言葉が、今でもハッキリと友美の脳裏に焼き付いている。
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