リストカット依存症
その日は、最悪な一日だった。


登校時に自転車でずっこけることから始まり


むしゃくしゃ些細なことでしていた。



家に帰り、すぐにベッドに入り寝た気がしたが

違った。


チクチクと刺すような左手の痛みに目を覚ますと

左手首に赤い線が走っていた。


「なんだ…これ…」

わたしは、手首の傷を眺めながら
帰ってきてからのことを思い返した。


…帰ってきてから

わたし……


またやったの?


机の上には、確かにカッターが置いてあった。



家には誰もいない。



わたしは、鏡に映る自分を睨み付けた。


自分が恐い――。



もう…やめたい。



ヤメタイ――――







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