今日も明日もそばにいて

…え?あれ?ちょっと?…どこに行くつもりなんだろう。〇々〇公園にでも行くものだと思っていた。でも、今走ってるのは間違いなく、高速…。

「ねえ、神坂君、…どこの公園に…」

「あ、はい。ドライブも兼ねてちょっと遠出します。千葉迄行きます。何も言って無くてすみません、大丈夫でしたか?」

千葉?!って。ちょっと…大丈夫も何も…。もう走ってるし…。簡単には下りられないから…。

「別に、私は乗せてもらってるだけだから大丈夫だけど」

言い合ったところで…今更どうにもってところまで来てしまってる…。

「だったらいいですよね。帰りは早めに、混む前には出ますから」

そう、それよ。どこに行こうと運転するのは私じゃない、疲れるのは神坂君なんだから。疲れに来たようになるんじゃない?


「ん゙ー、晴れて良かったですねー」

「運転お疲れ様でした」

「いいえ、全然?」

あ。…いい笑顔…向けられた。車から降りた神坂君は爽やかに伸びをした。
着いた頃には丁度お昼になっていた。途中、コンビニに寄って飲み物を買った。

「ここら辺にしましょうか」

「あ、うん」

レジャーシートを広げて座った。
おしぼりを渡しお弁当を出して開けた。ドキドキの瞬間だ。

「…どうぞ。味付けが口に合わなかったらごめんね、無理はしないでね」

「お。希望通り。…旨そう!…頂きます」

あっ。人の話、聞いてるの?…。おしぼりで忙しなく手を拭くと早速玉子焼きに箸を伸ばした。

……どうなの?大丈夫なの?…しょっぱいとか、甘いとか。何かあるでしょ?

…。黙ってないで…。

今度は唐揚げ。……どうなのよ…食べてばかりじゃなくて、そろそろ何とか言いなさいよね。

「ん?あ、すみません…夢中になっちゃって。旨い、旨いです」

…ほっ。もう…早く言ってよね…味わい過ぎでしょ。ドキドキさせ過ぎ…。

「そう?有難う、良かった」

私は私の味に慣れているから…味付けが気掛かりだった。これで私もやっと安心して食べられる。ペナルティーも一つ減った訳だ。…あと2個あるけど。きっちり覚えてるのかな…。

「あ、気になると思うから言っておくけど、おにぎりはラップで握ってアルミに包んだから。素手じゃないからね?」

「はい、潔癖症程ではないですが、気を遣ってくれて有難うございます。サンドイッチも…旨そう」

サンドイッチの中身を確認して手に取った。
あ、もう、聞いてる?

「気は遣ってない、普段からラップでしてるから気を遣った程ではないからね」

「はい」


天気は良すぎるくらい良かった。何も無い場所は当たり前に日差しがきつくて暑い…。でも、大きな木の下は風が通り抜け、涼しくて本当に気持ち良かった。神坂君の言ってた通りだった。お腹が満たされたら、眠くなりそうだ。

「実季さん、ここ迄来れば、そうそう知り合いに会うなんてないでしょうから、横になって昼寝しましょう」

あ、そういう事だったんだ。
…そこまで考えてここに来たって事なのね。でも、どんなに遠くに来ても嘘みたいに会う時は会っちゃうけどね。…はぁ、フフ。…何ていうか。公園て…思いつきのようで実は計画的?

「片付けて、一応、アラームをセットしておきましょう。だから眠っても大丈夫です」

「え、あ、うん…」

色々、多分…大丈夫だ。
陽は高い…完全な木陰。二人でレジャーシートに転がった。
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