俺の手が届く範囲にいろ。
……でも、ほんの少しくらいは
特別って、思われたかったんだ。
わたしと航くんの結末なんて
最初から分かってはいたけれど…
でも、航くんにとって
特別な人になりたかった。
だから……少しでも振り向いてもらえるように
メイクだって勉強して、髪もアレンジして……。
でも、そんなの意味なかったんだね。
「ふふっ…わたしなにやってるんだろう」
航くんの言葉に、ひとりでドキドキして…
ひとりで舞い上がって……
「っ…わたし、ばかみたいだね……__」
航くんはわたしのことなんて、
なんとも思ってないのに…
本当にわたし、ばかみたい。
__街灯に照らされながら
ひとりで歩く帰り道……__。
わたしの涙は、
しばらく止まることがなかった……__。