俺の手が届く範囲にいろ。


「京哉ー?実月ちゃんからよ~」と
下から聞こえる母さんの声。


「は、実月……?」


そう呟いて、急いで下に降りると
そこにはビニール袋があって……


……俺の好きな物ばっかが入っていて、


「……ばか」


……余計好きになんだろーが。


そんな言葉と同時に、俺は家を出た。


……やっぱ俺には、
おまえしかいねぇーんだよ。


他の女なんていらない。


なのに……おまえは誰を見てんの?

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