俺の手が届く範囲にいろ。


「……証拠?」


女の子が呟いた問いかけに
わたしも思わず首を傾げた。


__証拠ってなに……?


そんなことを尋ねようと、
わたしは京ちゃんを見上げた……そのとき。


「…んっ……」


…わたしの唇に、柔らかいものが触れた。


「っ……!?」


気付けば、わたしは京ちゃんに
顎を持ち上げられていて…


……唇を塞がれていて…


わたしはいつの間にか、
キスをされていることに……


……ん?……キス…?


…キスっ…!?!


「んんんっ…!」


我に返ったわたしは
京ちゃんの胸板をぐいぐいと押していた。


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