俺の手が届く範囲にいろ。


……だ、ダメだ。なんか最近、
京ちゃんのことばっか考えてる気がする。


そんなことを思い始めたら…


『……今日から頭ん中、
俺でいっぱいにさせてやるよ。
だから…覚悟しといて』


不意に、京ちゃんに言われた言葉が
頭に浮かんで…


"ち、違う違う…!"と
心の中で葛藤しながら
頭をふるふると横に振った。


「実月…?頭痛いのか?」


「…へ?あ、ううん!全然大丈夫!」


「…そっか。…じゃあ、
なんで部屋来なくなったんだよ」


「え……」


そ、その話…まだ続いてたんだね…。


なんで、って言われても……。


…わたしは思わず、返答に困っていると。

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