俺の手が届く範囲にいろ。


「……っ…やだよ…」


胸がズキッと痛くなって…
わたしは京ちゃんから、目をそらした。


……見たくなかったの。


いつも優しく撫でてくれる京ちゃんの手は…
違う女の子に触れていて…


みんなに優しい京ちゃんが
大好きなはずなのに……


今はなんか、それが辛くて……


__ポタッ……


……いつの間にか、わたしの頬に
涙が伝っていた。


< 274 / 354 >

この作品をシェア

pagetop