俺の手が届く範囲にいろ。


紗希さんともわかれ、
わたしは学校に向かった。


高校生になって……初めて1人で登校した。


……寂しさを感じる、なんて……
もう言うまでもないくらい。


__学校に着き、
わたしはA組教室の前を通った。


ちらっと覗くと、机の上に突っ伏して
寝ている京ちゃんがいる。


……苦手な早起きをしてまで、
わたしの顔を見たくなかったのかな。


…話しかけるタイミングが、
見つからない。

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