俺の手が届く範囲にいろ。
「……あ。そうえばね、京ちゃん
相談したいことがあるんだけど…」
「…相談?」
「うん。……菜々ちゃんのことなんだけど…
なんかね、首元に傷跡があってね」
「……え、傷跡?」
「そう、内出血みたいなやつ。
菜々ちゃんは、大したことなさそうに言ってたけど…やっぱり何かあったのかな…?
わたし、あんまり詳しく聞けなくて」
「……白石はなんて?」
「菜々ちゃんは……
彼氏にやられたって言ってたけど…」
……わたしがそう言うと、
京ちゃんは深刻そうな顔から
なぜか呆れた表情へと一変した。
そして「……あほ」と呟かれる。