俺の手が届く範囲にいろ。
*第2章*

「…俺の方が、おまえのこと知ってるよ。」



__とある日の昼休み。


わたしは航くんと、図書室にいた。


「航くん!本貸してくれてありがとう!
すっごく感動した!」


「どういたしまして!
最後の結末、すごい良くなかった?」


そう言って、にっと笑う航くんを見て
わたしは思わずドキッとする。


「う、うん!結末に感動して
わたし泣きそうになったよ…!
やっぱり、航くんとは気が合うな…」


なんて言いながら、わたしは微笑んだ。


「俺もだよ、実月ちゃんとは
びっくりするくらい気が合うから
一緒にいてすげぇー楽しい」


「……っ…」


そんな何気ないセリフにも
わたしの胸は、ドキドキと高鳴るばかり。


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