俺の手が届く範囲にいろ。
……菜々ちゃんの言葉は
単純に、嬉しかった。
わたしは航くんのことが好きだけど
航くんの気持ちは分からない。
だからこそ、ほんの少しでも
特別って思われたい……なんて思うわたしは
…わがままかな?……迷惑かな…
なんて、そんなことを思ってしまう。
……それからのこと。
わたしはいつの間にか
廊下ですれ違うたびに、
移動教室で、見かけるたびに…
航くんの背中を
自然と目で追ってしまう自分がいた……__