俺の手が届く範囲にいろ。
「…最近の俺、余裕なさすぎだな。
……歳のせいかも」
なんて、いつもみたいに
冗談を言って、ふっと笑う京ちゃん。
「歳のせいって…!
いくら何でも早すぎだよ、京ちゃん」
と、わたしもつられて笑ってしまった。
「ふっ…だよな。……じゃあ、俺帰るわ。
また明日な」
そう言って、京ちゃんは背を向けた…けど。
何かを言い忘れたように
再びこちらを向いた。
そして、わたしに何かを言おうとしてるけど
……言いづらいことなのか…
京ちゃんは、
躊躇っているようにもみえる。