俺の手が届く範囲にいろ。
「っ……はぁ…はぁっ…」
……人通りが少ないところまで走って
わたしは、道の端っこでしゃがみこんだ。
「うぅ…走りすぎて吐きそう……」
と、袖で涙を拭きながら
わたしはそんなことを呟いた。
こんなことなら、もっと日頃から
運動しておけば良かったな……
なんて、わざと違うことを考えて
気を紛らわそうとするけれど……
うまくはいかなくて
「……っ…」
頬に伝る涙が、止まらない。