鬼と仮面

それを聞いて、私も勝手に嬉しくなる。矢敷さんがそうして私のことを考えていてくれたことが、嬉しい。

「矢敷さん、ありがとうございます」

「何がですか?」

「私のこと、好きでいてくれて」

目をぱちくりさせて、矢敷さんは深くため息を吐いた。

「あ、灰澤は二次会行く?」

さっきの古倉さんが二次会行く組の中から聞いてくる。本当によく話しかけてくれるけれど、全然思い出せない……。

「いえ、私は……」

「俺等は行かない」

肩を抱き寄せられて、掠めるようにキスをされた。うん? と高速瞬きをした。
いや、みんな見てますけど。

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