鬼と仮面

「桃栗三年柿八年、柚子は九年の花盛り」

「……梅は酸いとて十三年」

「梅? 初めて知った」

他にも梨とか、枇杷も聞いたことがある。炬燵に入りながら眠そうにする灰澤さんを見る。
栗を剥きながら眠るって、なかなかの芸当だ。

「眠いなら眠って良いですよ」

「十三年かあ。私たちが中一のときは種だったのが、今では実を結んでるってことですね」

灰澤さんの顎の下にキーウィのぬいぐるみが挟まっている。

実を結ぶ……そうか、長い年月だ。でも、必要な年月だった。

「灰澤さん、結婚しませんか」

栗を剥いている状況で言われたくなかったかもな、と言った後に気付いた。
黙っている灰澤さんを見る。キーウィに顔を埋めていた。

「灰澤さーん」

「喜んで」

キーウィが鳴き声をあげる。笑顔が見えた。
可愛過ぎる。

20171017 番外編end.

< 75 / 76 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop