五月雨物語
でも、実際塁は仕事を優先する。

最近は特に、サクラさんの

同伴が多い。

あたしが行っても、サクラさんに

付くほうが長い気がする。

「辞めたらサクラさんと

どうすんの?」

って聞くと、

「急に切るわけにはいかないから

ゆっくり自然消滅、かな?」

「そんな上手くいく?」

「大丈夫だって。

お前は心配すんな~!」

なんか因果な仕事だな~と思った。

金の切れ目が

縁の切れ目だなんて・・・

自分がそうされたら、と

思うと悲しかった。

かといって、あたしも

彼女であっても

お客なんだから

切られない保障は何もない。

不安だった。
< 121 / 240 >

この作品をシェア

pagetop