五月雨物語
「だから黙っててごめん。」

錬はいつになく素直に謝った。

塁の優しさが錬に
反射したみたいに・・・

塁はどんな人をも
包んでしまう魔力を持つ・・

月のような柔らかな光で・・

一人っ子のように育った錬が
心を許したのが嬉しかった

あたしはすぐ近くに
塁を感じた。

弱虫のあたしを
すっぽり包んでくれてる・・

あのいつか見た夢のように
少し旅に出ただけなんだよね?

あたしは塁を
忘れなくていいんだよね?

ずっと・・・

愛していてもいい・・?
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