五月雨物語

路地裏の少年。

あたしはきまりが悪くて

空たちを引っ張って

通りに面した居酒屋に入った。

「ィ~らっしゃいませ一!」


威勢のいいお兄ちゃんの声が響き

店内の喧騒が、華やかになった。

さすが月末の居酒屋は満員だ。

「ねえ、ねえ、

空は彼氏とどうなの?」

「あ~、もう長いしね~。

あいつったら

やきもちもやかないわ。

倦怠期ってやつ?」

「何贅沢言ってんの?

相手がいるだけマシ!」

と、まりあがちゃちゃを入れる。

「そだよね~。

まりあはよくやってる!

まりあの日頃の頑張りに

かんぱーい!」


お客抜きのブッチャケトークに

気も緩んで、ピッチも早い。
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