五月雨物語
11月の終わり・・・

あたしは仕事帰りに塁を訪ねた。

塁は驚いたけど

でもきっと

来るとわかってたように

自然に私達は溶け込んだ。

「おはよ!

今日はめずらしいね。

やっと会いにきてくれたの?

俺の美声を聞きたくなった?」

塁はきゅっと口の端をあげて

首をかしげた。

「うーん、どっちもだよ。」

「嬉しいな。」

塁は素直に笑った。

奥からナオが手を振った。

「いらっしゃい、ユラちゃん。

今日は、盛り上がろうね!」

「うん。そだね!」

あたしも素直に笑えた。
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