子供達は夢を見ない
四章〜暴かれた嘘、隠された真実〜
「はい…」

561号室をノックすると声がした。

「…!」

「来ましたよ」

「…いらっしゃい。入りなさい」

三人は部屋に入る。

「生憎、椅子は二つしか無いの。床で良い?」

「大丈夫ですよ」

三人は床に、埼京は椅子に座る。

「それで用は?」

「エンチルとマッドの過去を教えてください。何故争うはめになったんですか?」

意外にも答えたのは羽根田だった。

「昔、エンチルと呼ばれる前の国が支配していたのに、外からきたマッドが襲撃に来たからですよね?」

「それは真っ赤な嘘。ある事実を隠すために流された情報よ」

「…!?」

「じゃぁ、話をするね」

「この国は昔はマスグが支配をしてたの」

「マスグって中立都市の?」

「そう。この国は昔から、場所にも、水、植物にも恵まれてたの。そこに目を付けた他国が攻めて来た。元々争いの少ない国だったから直ぐに負けたの」

「その他国は?」

「マッドとエンチルは昔は同じ国だったの」
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