テレビの向こうの君に愛を叫ぶ

30分待ちのアトラクションに並びながら、私たちは他愛のない話をした。
気持ちの良い天気で、会話も弾む。
黒縁メガネをかけた澪君は、メンバーのことやライブのことを、私は主に学校でのことを話した。


「この前、悠の誕生日パーティしたの」


そういえば、悠くんの誕生日は12月の半ば頃だったな。


「悠ってドライブが好きだから、俺と蒼と春で、サングラスプレゼントしようって話になって、ブランド物のたっかいサングラスを買ったの」


そこまで話すと彼はくすくすと笑いだす。


「そんでさ、春が突然、『格付けしようや!』とか言いだして、100円ショップで似たようなサングラス買って来てさ。パーティで悠に選ばせたの」


春翔くんのモノマネが妙に似ていて面白い。


「そしたらあいつ、100円のサングラス選んだの!!!俺たち爆笑だったよ。あ、もちろん高い方のもあげたよ」


初めてShootingのメンバーと鉢合わせしてしまった時の、あのわちゃわちゃした雰囲気を無性に思い出して、私の胸は暖かい色に染まった。



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