テレビの向こうの君に愛を叫ぶ

さぁ、やらなきゃ。

私はふるふると頭を振って、楽しかった記憶を片付けると、課題に取りかかった。

私は澪君と付き合うようになって、一つ決心したことがある。


…それは、澪君と同じ大学に進学すること。


これを二者面談で担任の先生に話したときは、冗談だろと笑われた。
そりゃそうだ。
だって、私の学力じゃ、澪君の行った大学には手も届かないんだから。

私は澪君と会って話すようになって、彼との7年間の差というものを痛いほど思い知った。
いつしか私は、遥か向こうにいる澪君に、少しでも近づきたい。少しでも澪君の気持ちを分かってあげられるようになりたいと思うようになった。
だから、澪君と同じ大学、同じ学部に進学して、彼が学んだことを学んでみようと思ったのだ。
そうすれば、その4年間分近づけるような、そんな気がしたのだ。

そういうわけで、私は一つ一つの勉強に手を抜くわけにはいかない。
お仕事を頑張る澪君を見習って、わたしも努力しなくちゃ。


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