テレビの向こうの君に愛を叫ぶ

空がオレンジ色と紺色の狭間の時間に私は課題を終わらせて、家を出た。
途中、澪君からもらったピンキーリングを忘れたことを思い出して、一度家に帰った。
学校ではつけられないから、それ以外の時間はなるべくつけていたい。
つけていれば、澪君が隣にいるような、そんな感じがするんだ。
そんなことを考えながら、私は塾へ向かう道すがらにある本屋の前を通った。

あ、そういえば今日は澪君が表紙の雑誌の発売日だ。
帰りに買って帰ろう。

楽しみができると、やる気が出る。
塾の時間も、私は気まずいいくまるの隣で黙々と問題を解き続けた。



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