テレビの向こうの君に愛を叫ぶ
「お邪魔しまーす」
そろそろと靴を脱いで、柄でもなくきちんと靴を並べて玄関に上がる。
「ごめんね、散らかってて」
澪君はそう言ったけれど、全く散らかってなんかなかった。
掃除をした後の私の部屋より全然綺麗。
カントリー調に揃えられた家具で、部屋は温かみを帯びていた。
料理をよくするのか、テーブルにはスーパーのチラシ。
なんか、可愛い。
私は澪君に促されるままソファに座った。
澪君はテーブルの上に置いてあったリモコンでテレビをつけた。
やっていた番組は、Shootingの冠番組。
私はもちろんバッチリ録画予約済み。
澪君は恥ずかしそうにすぐに別の番組に回してしまった。
なーんだ、見たかったのに。
回した先の番組は、最近俳優としても活躍する蒼悟君のドラマ。
「蒼君イケメーン」
澪君は紅茶を淹れながらドラマに茶々を入れる。
グループ内でも癒し系キャラの澪君。
どこでも変わらないんだなぁ。