テレビの向こうの君に愛を叫ぶ
「俺のだから少しぶかぶかかもしれないけど、それ着て」
私はそっと受け取ると、頬ずりしたくなる気持ちを押し殺して、「いいんですか?」と首を傾げた。
「もちろん。あ、いやかな?」
いやいやいやいや、そんなわけないですよ。
私は心の声に従って首を横に振る。
「そっか、ならよかった。行ってらっしゃい」
澪君は私の背中を押してバスルームまで案内してくれた。
どこまで優しいんだ、澪君は。
逆にその優しさが私を不安にさせる。
誰にでもそうだったら嫌だなぁ。