スイート・ルーム・シェア -御曹司と溺甘同居-

Floor 18



街の電気が煌々と辺りを照らしている。

その中で、その隣で、その下で。

人はそれぞれの日々を送っている。

昨日とは違う今日を。

今日とは違う、明日を目指して。

変化を求める人にも、今を望む人にも、時は平等に訪れる。

私にも然り。

時間は皆と同じように流れ、今日も無事、大きな事件もなく残業をこなし帰宅した。

識嶋さんはまだ帰っていない。

あの夜から数日、私たちはどことなく気まずいまま。

顔を合わせても以前のように会話をすることはなく、用件だけ伝えて無難に受け答えるという日々が続いていた。

自室のベッドに腰掛けて長い溜め息を吐く。

明日の金曜日を前に、体も心も疲れていてめげそうだ。

ここは甘いものでパワーをチャージし、週末を乗り越えよう。

確か近所のコンビニには今話題のドーナツが売っているはずだ。

新商品で売り出されてまだ日が浅いけれど凄く人気で売り切れ続出らしい。

でも、まだ食べたことがないし探しに行ってみよう。

決めると、私は部屋着の上に薄手のパーカーを羽織って玄関を出た。

手には小さいコットン素材のカジュアルなバッグ。

中には財布とスマホ、カードキーが押し込んである。



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