スイート・ルーム・シェア -御曹司と溺甘同居-


「笑うな」


文句を言いながら睨む彼の耳は少し赤い。

そのことに触れれば絶対に機嫌が悪くなるので、私はごめんなさいと謝ってまたおかゆを口にした。

それを見た識嶋さんは、あとで食器を取りに来ると言い残し部屋を出て行く。

彼の作ってくれたおかゆ。

もったいなくて頑張って何口か食べたけど、半分も食べることができず、申し訳ないと思いながらも薬を飲んでからまた横になった。

そうすれば、すぐに訪れる眠気。

私はそれに逆らうことなく瞳を閉じた。







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