溺甘上司と恋人契約!?~御曹司の罠にまんまとハマりました~
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指輪をもらったのは、付き合って一年目の誕生日だった。
シンプルだけどしなやかな曲線を描くフェミニンなデザインで、中央に小さなダイヤモンドの花細工が施されていた。
日本のブランドの指輪で、たぶん三万円くらいのものだったと思うけれど、当時しがない大学生だった私にとっては、はじめて男の人にもらった大切なプレゼントだった。
時田章介さんは八歳年上の大手製造メーカーに勤めるサラリーマンで、落ち着いた雰囲気を持った人だった。
旅行サークルの先輩に誘われて参加したOB会に彼も来ていて、そこで顔を合わせたのが最初だった。
会った瞬間から、彼とは波長が合う気がしていた。
お酒で盛り上がる周囲の人とは一線を画す穏やかさがあり、押し付けがましくない優しさが会話の端々から感じられて、話をしているだけで気持ちがほぐれていくような感覚を得られた。
それは向こうも同じだったようで、何度かサークルの催しで顔を合わせたあと、ふたりで会うようになり、自然と付き合いがはじまった。
章介さんは二十八歳、私は二十歳になったばかりだった。