溺甘上司と恋人契約!?~御曹司の罠にまんまとハマりました~
章介さんは大人だった。
私がはじめて付き合った異性だから、比べられる対象もいないけれど、少なくとも私の身近にいた男の人――たとえば弟だったり、サークルの先輩だったり――とは人種が違って、包み込むような温かさがあった。
大学生同士では入れなさそうなレストランで食事をしたり、高級車でドライブに連れて行ってくれたり、成人とは名ばかりの子どもだった私に、大人の世界をいろいろと教えてくれた。
弟と妹がいるおかげで人の世話ばかり焼いてきた私を、はじめて甘やかしてくれる存在だった。
当然ながら、私は章介さんにのめり込んだ。
彼に憧れて、釣り合う女性になりたくて、私は必死で自分を大人っぽく見せようとした。そんな私を章介さんは可愛がってくれた。
大学を卒業して就職しても、私は章介さんからもらった指輪を右手の薬指に欠かすことなく飾った。私の生活は、彼を中心に回っていたといっていい。