君に溺れた
「真凛ちゃん、また遊びに来てね。」

「はい、今日はありがとうございました。」

「式にはお父さんも出席なさるの?」

「お父さんは出席したいって言ってくれてるんですが、お父さんの立場もありますし、それに、お父さんにはお父さんの家族がいて、私のことをまだ話してないそうです。」

「そう。出席出来るといいわね。」

「はい。」

「真凛、行くぞ。」

大地さんが助手席のドアを開けてくれる。

私は大地さんの両親とタケさんにお辞儀をして車に乗った。

「じゃあ式で。」

「大地!!」

「・・・何?」

「沢山、辛い思いさせてごめんね。」

「・・・俺は真凛が笑ってくれるなら、母さんにだって会いに来るよ。今日はありがとう。」

「また、一緒に帰って来てね。」

「あぁ。」

大地さんは車を発進させた。

しばらく無言だった。

なんだか大地さんが泣いてるような気がして声をかける。

「大地さん、今日は楽しかったですね。」

「ん。」

「また遊びに行きたいです。出産間近には色々相談したいし。」

「俺に相談すればいいだろ?」

「女同士じゃなきゃだめなこともあるんです。」

「ふん。すっかり仲良くなって。俺をのけ者にしないでくれよ。」

「ふふっ。」
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