君に溺れた

家に帰ると大地さんが珍しく甘えてきた。

「真凛、今日は一緒にお風呂入っていいだろ？」

「え？今日ですか？」

「だめ？」

「だめじゃないですけど、急にどうしたんですか？」

「最近、真凛不足。」

「もう大地さん何言ってるんですか？」

「だってつわりがあったときは、真凛に触れれなかったし、今ならいいだろ？」

「・・・先に入って待っててください。」

大地さんは嬉しそうに浴室に向かって行った。

私は少ししてから、浴室に入る。

大地さんは湯船に浸かってゆったりしている。

私は体を洗ってから大地さんと向き合う形でお湯に浸かる。

大地さんが艶っぽい表情で私を見ている。

「そんなに見ないで下さい。」

「真凛、胸が大きくなった。」

「え？わかりますか？」

「あぁ。触ってもいいか？」

「・・・ちょっとだけですよ。」

「けち。」

「！？ひどい。」

「だってそうだろう？俺が毎日どれだけ我慢してるかわかる？好きな女が目の前にいるのに触れないって拷問を受けてるみたい。」

「・・・言ってくれればいいのに。」

「真凛さんは仕事もしてるし、若い男と合コンもしてるみたいだし、忙しいでしょ？」

「！？何で知ってるんですか？」

「否定しないんだ。」

「あれは、先輩に無理矢理連れていかれて。先輩は私が妊娠してること知らないし、なんて断ったらいいかわからなくて。」

「合コンで若い男と仲良くなった？」

「何で若い男にこだわるんですか？」

「俺じゃ物足りないのかと思って。」

「そんなわけないじゃないですか。」

「でも、その合コンのときの男が誘ってきたんだろ？」

「・・・あの子は、その・・・」

「言いたくないなら聞かない。」

大地さんは浴槽から出ていく。

私は慌てて後を追う。

「あの子は私の弟かもしれないんです。」

「弟？」

「三石竜哉くんと名乗っていたのでもしかしたら。今度お父さんに会って確かめるつもりです。」

「ふ～ん。」

「だから竜哉くんがカフェで待ってるって先輩に聞いたから行っただけです。私には大地さんだけです。信じて下さい。」

「・・・信じてるよ。嫉妬深くてごめん。」

「ふふ。今日は沢山サービスするので中に入って。ね？」