君に溺れた
大地さんとの初デート。

大地さんは私を助手席に乗せると、高級ブランドがたくさん入っている商業ビルに連れてきてくれた。

シフォンのワンピースに、少し高さのあるヒール、髪はハーフアップ。

いつもは洗顔後に日焼け止めを塗るだけだけど、今日は美容師さんが、メイクしてくれた。

全部、大地さんがプレゼントしてくれた。

私はシンデレラになった気分で大好きな人の元へ行く。

大地さんは私をみて、はにかんだ笑顔をみせてくれた。

「・・・どうですか?」

「とてもよく似合ってる。他の男に見せたくない。このまま家に連れて帰りたいよ。」

「よかった。大地さんと並んで歩くの夢だったんです。」

「こんなんでいいならこれからずっと隣を歩けばいいよ。俺の隣は真凛だけだ。」

「大地さんは・・・ありがとうございます。」

幸せの分だけ辛いことがある。

神様、辛いことなら我慢できます。

だからもう少し大地さんの隣にいさせて下さい。

どうかあと少し。



「?真凛?どうした?行くぞ。」

「はい!」

楽しまなきゃ。

一生分の幸せでもいい。

これから一生辛いことだらけでもいいから。

私は大地の腕に自分の腕を絡ませた。

大地さんは、笑顔で私の頭を撫でてくれる。

周りの女性が釘付けになっている。

大地さんの笑顔は、それぐらい人を魅了させる。



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