君に溺れた
狂気の行方
真凛とマンションで別れて仕事に向かった。

山田さんが病欠だと聞いて少し不安になる。

彼女はとても真面目で俺の知る限り無遅刻無欠勤だ。

そんな彼女が急に病欠と聞いて思い当たるのは昨日の告白。

彼女の気持ちには答えられないから中途半端にするわけにはいかない。

ちょうど転勤になるんだし、これでよかったと思うしかない。

俺は普段通り仕事に集中する。

仕事が終わりそのまま真凛のマンションに向かう。

マンションに着くと真凛はいなかった。

俺は真凛に電話した。

携帯の電源が入っていない。

今日は仕事は休みだと言っていたのに、どうしたんだ。

夜、真凛のマンションに行って、週末のデートの計画を立てようと話していた。

俺は部屋の前で真凛が帰ってくるのを待った。

しばらくして隣の住人の女性が帰ってきた。

俺が真凛を待っているのを見て教えてくれた。

その人によると、真凛は階段から落ちて病院に運ばれたらしい。

俺は急いで病院に向かった。

受付に問い合わせて病室に入ると、そこにはベットに寝ている真凛と真凛の手を握っている佐藤先生がいた。

「真凛！」

「静かに。痛み止めを使って今、やっと寝たところだ。起こさないでくれ。」

「どうしてこんなことに・・・」

「階段から足を踏み外したと言っていたけど、俺は違うように思う。」

「違う？」

「普通、階段を踏み外したら下半身を打撲するけど、真凛は下半身の怪我はない。怪我は頭の擦り傷と腕の骨折だ。真凛はきっと誰かに後ろから押されて咄嗟に腕で衝撃を受け止めた。」

「誰が真凛を階段から押したりする？」

「それはわからない。真凛も何も話そうとしない。」

「わかった。ありがとう。付き添ってくれて。あとは俺が付き添うよ。」

「真凛の彼氏はあんたかもしれないけど、真凛を心配してるのはあんただけじゃないんだ。それはわかっててほしい。」

「わかった。」

「真凛を一人にしないでくれ。病院に運ばれてきたとき、真凛は無理して笑ってた。あんたも彼氏ならわかるだろ？真凛は辛いときこそ笑う。何かあったんだ。真凛を守れないなら彼氏の座は降りてもらうからな。」

「何があっても守るよ。」



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