君に溺れた
痛々しく包帯が巻かれていた。

「真凛。」

「・・・ん。大地さん?」

「真凛!起きたのか?」

「はい。心配かけてごめんなさい。」

「謝らなくていい。痛むか?」

「・・・少し。」

「真凛、誰かに後ろから押されたのか?」

「・・・」

「真凛、教えて。真凛を守りたいんだ。」

「顔は見てません。買い物に行こうと外に出たら急に押されて。」

「わかった。念のため部屋の前に警護の人間をつけるよ。」

俺は真凛の部屋に警護の手配をした。

「真凛、何かしてほしいことある?」

「・・・大地さん、明日も仕事ですよね?私は大丈夫なので、もう帰って下さい。」

「・・・俺が付き添うのいや?」

「そうじゃなくて、大地さんに・・・」

「迷惑かけてるとか言ったら怒るよ。」

「大地さん。」

「真凛のことを考えることは迷惑なことじゃない。」

「ありがとうございます。」

「真凛はゆっくり休んで。ここにいるから。」

「はい。・・・あの、お願いがあります。」

「ん?何?」

「・・・その、あ・・やっぱりいいです。」

「なんだよ。何でも言ってくれ。」

「・・・腕枕してほしい。」

「真凛、ここは病室だし、」

「やっぱりいいです。忘れて下さい。」

真凛が布団を頭まで被ってしまう。

俺はそんな真凛を可愛いと思う。

個室だし朝まで誰も来ないよな。

俺は上着を脱いでネクタイを外した。

掛け布団を剥がして真凛の横に寝る。

真凛の体を優しく包み込む。

「大地さん、我が儘言ってごめんなさい。」

「こういう我が儘だったら大歓迎だよ。」

俺は真凛の唇にキスする。

「・・・んっ。大地さん大好き。」

「!真凛、ここでそれを言うのは反則だよ。止まらなくなるだろ。」


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