あなたのそばにいたいから
社食に戻ると、私たちの姿を見つけた中田さんが、

「新郎新婦の再入場です。」

とみんなに知らせた。

ケーキは切り分けられ、
ケータリングで届いたであろう料理が並べられた。

「これからは、パーティーです。
まずは、乾杯しましょう。
では、広報の青山部長、よろしくお願いします。」

広報部長の挨拶で乾杯がはじまり、
みなさんとのひとときを楽しんだ。
お義父さん、お義母さん、そして私の両親とも話をした。

「お義父さん、お義母さん、
私の両親にまでいろいろとお気遣いありがとうございます。」

「いやいや、ユウちゃんはうちの息子のために
アメリカにまで行ってくれたんだ。このくらいのことはさせてよ。」

お義父さんはそうおっしゃった。

青森から来たうちの両親は
トモのご両親のおうちに泊まらせていただいてるとのことだった。

「ユウは恵まれているなぁ。」

父のその言葉に、本当にそう思った。

「お父さん、お母さん、今まで育ててくれてありがとう。
本当は実家できちんと御礼をいいたかったのに。」

母はその言葉で涙ぐんでいた。

「お義父さん、お義母さん、ユウは責任をもって僕が大切にします。」

さっきまで社長やみなさんと話をしていたトモが
私の肩を後ろからそっと抱くように話した。
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