でこぼこ

別れた後は毎日が淡々と過ぎていった。


あんなに一緒にいたのだ。
離れて気づく何かがあると思っていた。
なんだかんだで寂しくなって
彼に泣きついたら情けないなあ、なんて。



だけど、自分で自分に呆れた。
何も感じなかったのだ。
「なんだこの程度だったのか。」と。



むしろ自由になった感覚。
心がすとんと軽くなった気がする。
これで相手を気にすることなく遊べるし
面倒だった勉強にも手が伸びるかも。
ただ、この女っ気のない性格じゃ
次の恋は当分おあずけになりそうかな。
すぐにそんな気分にもなれないから
ちょうどいいのだけれど。




遠野 詩織(とおの しおり)
19歳、専門学生2年目の4月。


自分を一途に好いてくれた彼を手放し
ぶっ飛んだ詐欺王子の虜になるまで
あと4ヶ月。





………早すぎ、か?
< 2 / 2 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop